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世界の美しい駅ランキングTOP10

旅の始まりと終わりを司る「駅」は、単なる移動インフラを超えて、都市の顔であり、その土地の歴史・文化・未来志向までも映し取る巨大なショーウィンドウです。近代化の象徴として建てられた壮麗なターミナル、芸術家が壁面をキャンバスに見立てた装飾駅、未来的な大屋根で光を操るハイテクハブ――世界には思わず改札を出ずに何周もしたくなる名駅がいくつもあります。今回は雑誌ライター目線で“美しさ”にフォーカスし、建築デザイン、歴史的ドラマ、空間体験、写真映えなどから「世界の美しい駅」トップ10をご紹介。さあ、車窓より駅舎に夢中になる旅へ出発進行!

第10位:ポルト・サン・ベント駅(São Bento Station, Porto, Portugal)

引用:https://www.saba.pt/en/parking-sao-bento-railway-station-porto

青と白のアズレージョ(伝統タイル)壁画だけでフルアルバムが作れそう!旧修道院跡に建てられた駅舎のコンコースは、葡萄酒の都ポルトらしい陽光に照らされ、ポルトガル史の名場面や田園風景がタイルで展開。列車に乗る前にじっと見上げ、歴史の予習をしてから旅に出る――そんな駅体験が魅力です。

第9位:金沢駅(Kanazawa Station, Ishikawa, Japan)

引用:https://www.magical-trip.com/media/kanazawa-station-ultimate-guide-2025-essential-tips-transportation-things-to-do-with-maps/

伝統芸能「鼓」をモチーフにした巨大な朱塗り門=鼓門(つづみもん)と、ガラスと鋼で構成されたドーム状のもてなしドームが、雪国の玄関口を未来感たっぷりに演出。和とハイテクのハイブリッドで世界のデザイン賞でも注目を集めました。北陸の旅人を「ようこそ」と包み込む、名実ともに“おもてなし駅”です。

第8位:リエージュ=ギユマン駅(Liège-Guillemins Station, Liège, Belgium)

引用:https://thebeautyoftransport.com/2014/03/05/the-kraken-wakes-liege-guillemins-liege-belgium/

サンティアゴ・カラトラヴァ設計の流線型アーチは、まるで未来都市。透過するガラスと鋼がプラットフォームに柔らかな自然光を落とし、時間帯で表情を変えるフォトジェニック空間です。高速列車タリス/ICEも発着する国際ハブで、モダン建築好きには聖地の一つ。

第7位:コムソモリスカヤ駅(Комсомо́льская / Komsomolskaya Station, Moscow Metro, Russia)

引用:https://inhabitat.com/russias-historic-metro-stations-captured-in-awe-inspiring-photographs/komsomolskaya-metro-station-moscow-russia/

「地下の宮殿」という異名がしっくりくる豪奢さ。金色モザイクにバロック風のシャンデリア、歴史を讃えるレリーフが並ぶプラットフォームは、通勤ラッシュでもつい足を止めたくなる劇場空間です。地下鉄駅がここまで芸術的でいいのかと驚く“地下アート”体験の代表格。

第6位:ロサンゼルス・ユニオン駅(Los Angeles Union Station, Los Angeles, USA)

引用:https://www.unionstationla.com/visit/

スペイン植民地復興様式×アールデコ要素×カリフォルニアの光。厚いテラコッタの床、梁の表情、タイルモザイク、そしてパームツリー越しに眺めるファサードが映画のワンシーンそのもの。ハリウッド映画で何度もスクリーンデビューしている“映画スター駅”としても有名です。

第5位:チャトラパティ・シヴァージー・マハーラージ・ターミナス(Chhatrapati Shivaji Maharaj Terminus, Mumbai, India)

引用:https://www.incredibleindia.gov.in/en/maharashtra/mumbai/chhatrapati-shivaji-maharaj-terminus

旧名ヴィクトリア・ターミナス。インド・サラセン様式とゴシック・リバイバルが渾然一体となった石造駅舎は、尖塔・ドーム・彫像・ステンドグラスが密度高く組み込まれ、街の喧騒を背景に圧倒的存在感。ユネスコ世界遺産にも登録され、英領時代の鉄道の栄華と現代インドの生命力が交差する場所です。

第4位:セント・パンクラス駅(St Pancras International, London, UK)

引用:https://www.manhattanloft.co.uk/projects/st-pancras-renaissance-hotel

赤レンガのヴィクトリア朝ネオゴシック外観+19世紀としては驚異的だった巨大鉄骨アーチ屋根。保存危機からの大改修を経て、ユーロスターのロンドン玄関口として華麗に復活しました。駅構内のシャンパンバー、パブ、ホテルまで揃い、クラシックとモダンライフスタイルが絶妙に同居する駅です。

第3位:アントウェルペン中央駅(Antwerpen-Centraal, Antwerp, Belgium)

引用:https://www.vandervalkantwerpen.be/en/activities/central-station

石造パラッツォ風コンコースにガラスと鉄のドーム、複層プラットフォームを貫く縦方向のスケール感――駅というより大聖堂。細密な装飾と素材感が圧巻で「鉄道の大聖堂」と称されるのも納得です。上層から下層ホームを見下ろすダイナミックさは建築好き必見。

第2位:グランド・セントラル駅(Grand Central Terminal, New York, USA)

引用:https://www.untappedcities.com/hidden-places-grand-central/

ニューヨークの鼓動を集める殿堂的ターミナル。ビザンティン風天井に描かれた星座、光が縦横から差し込む大窓、時計台での待ち合わせ――すべてがロマンチックです。保存運動で守られた歴史的駅が、今も都市の象徴的公共空間として生き続ける姿は感動ものです。

第1位:東京駅(Tokyo Station Marunouchi Building, Tokyo, Japan)

引用:https://www.byfood.com/blog/restaurants-near-tokyo-station-p-773

丸の内口の赤レンガ駅舎は、大規模復原工事で創建時のドーム屋根と意匠を取り戻し、皇居側の玄関口としてクラシカルな威厳を放ちます。内部の美しいドームレリーフ、夜間ライトアップ、そして近代日本鉄道史の象徴というストーリー性。超巨大ターミナルとしての機能性と歴史美が共存する奇跡のバランスで、今回の堂々1位に。ここから始まる旅は、ちょっと背筋が伸びます。

まとめ

「駅は通過点」という固定観念を手放すと、旅の余白がぐっと豊かになります。発着時間の30分前に行って軽く撮影会、周辺のカフェで駅舎を眺めながら一服、夜はライトアップを狙う――そんな“駅旅”を組み込めば、乗り物移動が旅のハイライトに早変わり。あなたのベスト駅もぜひ教えてください!