城――それはただの軍事施設でも、貴族趣味の豪邸でもありません。権力が積み上げた石の層であり、人々の信仰や技術、芸術の粋が折り重なった巨大なタイムカプセルです。世界には星の数ほど城郭・要塞・宮殿が点在しますが、その中でも「おお、ここは一度行ってみたい!」と旅心を全開にしてくれる“絵になる城”をランキングにしました。それでは第10位から発表です!
第10位:エイリーン・ドナン城(Eilean Donan Castle|スコットランド)

引用:https://windows10spotlight.com/images/27066
霧深いハイランド地方、小さなフィヨルドの合流点に浮かぶように建つ絵画的な水上要塞。干潮と満潮で表情が変わり、鏡のような水面に映るシルエットはスコットランド観光ポスターの定番です。14世紀頃に築かれ、ジャコバイト蜂起など激動の時代に破壊と再建を繰り返し、20世紀初頭の修復で現在の姿に。内部は氏族の歴史展示も充実。スカイ島ドライブの途中で寄り道したい絶景ポイントです。
第9位:ブラン城(Bran Castle|ルーマニア)

引用:https://www.headout.com/blog/bran-castle/
「ドラキュラ城」として世界的に有名な中世要塞。実際のヴラド・ツェペシュ(串刺し公)との関連は薄いものの、ゴシックな塔と石壁が喚起する想像力は無限大です。トランシルヴァニア地方の森に囲まれた山上にあり、迷路状の通路、木造バルコニー、中庭の白壁と赤屋根コントラストがフォトジェニック。ハロウィンシーズンにはイベントも多数。吸血鬼伝説に背筋をゾクゾクさせつつワインを味わう、そんな“怖楽しい”城体験をどうぞ。
第8位:モン・サン=ミシェル(Mont-Saint-Michel|フランス)

正確には“修道院要塞”ですが、潮汐で孤立する岩山全体が城塞都市のようにそびえ立つ姿は、世界有数のファンタジー景観。8世紀の巡礼地起源、百年戦争期には強固な防御線で英仏の攻防を耐え抜き、「海に浮かぶ城」イメージを決定づけました。石段を登るにつれゴシック尖塔が空に伸び、干潮時は徒歩で湾を渡るツアーも人気。昼と夜でまったく違う表情を見せる光の劇場です。
第7位:エディンバラ城(Edinburgh Castle|スコットランド)

引用:https://www.edinburgh-tickets.com/edinburgh-castle/inside/
古い火山の岩塊キャッスルロックにへばり付く、スコットランド史の象徴。王権、反乱、宗教改革、そして軍事要塞としての役割――ドラマの密度がとにかく濃い!内部にはスコットランド王冠宝器、聖マーガレット礼拝堂、国立戦争博物館など見どころがぎっしり。8月のミリタリータトゥー(軍楽ショー)で夜空に花火が咲く光景は鳥肌もの。旧市街を見下ろす絶壁立地がダイナミックで、雨雲とも相性抜群の“陰影美”が魅力です。
第6位:プラハ城(Prague Castle|チェコ)

引用:https://www.arwtravels.com/blog/prague-in-a-weekend-old-town-castle-mala-strana
川を挟んで旧市街を見守る世界最大級規模の城郭複合体(ギネス登録で知られるほどの“巨大さ”)。ボヘミア王国から神聖ローマ帝国、チェコ共和国の大統領府まで政治の中心であり続け、建築様式はロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックが折り重なる“石の歴史博物館”。城内に林立する聖ヴィート大聖堂の尖塔が空を突き、黄金小路のカラフル家並みも散策人気。夜のライトアップはまさに中世の幻想曲です。
第5位:シャトー・ド・シャンボール(Château de Chambord|フランス)

引用:https://www.chatillonarchitectes.com/en/portfolio/chateau-de-chambord/
ロワール渓谷を代表する“ルネサンス建築の夢”。二重らせん階段(レオナルド・ダ・ヴィンチ関与説で有名)と、煙突・塔・ドーマーが林立する屋根ラインが唯一無二のシルエットを作ります。狩猟離宮として着工されたため防御性は薄い“飾るための城”ですが、幾何学的庭園と森に囲まれたスケール感が圧倒的。屋上テラスに立つと石の森に迷い込んだ気分に。ワインと一緒に“貴族の休日”妄想をどうぞ。
第4位:ペーナ宮殿(Pena Palace|ポルトガル)

引用:https://smilingway.cz/en/pena-palace-sintra/
シントラ山上に原色ド派手カラーでそびえる、おとぎ話に出てきそうな城。霧がかかるたびに色味が柔らかく溶け、晴れるとポップに弾けます。19世紀王室の夏離宮として機能し、内部は当時の暮らしを再現。シントラ歴史的景観のハイライトで、リスボンからの小旅行に最適です。
第3位:アルハンブラ(The Alhambra|スペイン)

引用:https://omrania.com/inspiration/water-management-why-the-alhambra-palace-was-ahead-of-its-time/
イスラム王朝ナスル朝の芸術が花開いた赤い城塞と、水鏡に浮かぶ繊細なアラベスク装飾は世界遺産界の定番です。幾何学タイル、透かし彫り漆喰、ムカルナス天井、そして中庭を流れる水路――乾いたアンダルシアの山上でこのオアシス感!後期カトリック王政期の改変も歴史の層を形成し、イスラムとキリスト教文化の交差点を体感できます。
第2位:姫路城(Himeji Castle|日本)

引用:https://www.travelcaffeine.com/himeji-castle-info-tips-review/
白鷺が羽を広げたような優美な白漆喰から“白鷺城”の愛称で親しまれる、日本城郭建築の最高傑作。戦国末~江戸初期にかけての大改修で完成した連立式天守群は、巧妙な迷路状防御と美観を完璧に両立。第二次大戦の空襲や阪神・淡路大震災も奇跡的に大被害を免れ、現存天守として世界遺産登録(1993年)を果たしました。桜、青葉、紅葉、雪化粧――四季で映え度が変わる日本屈指のフォトジェニック城です。
第1位:ノイシュヴァンシュタイン城(Neuschwanstein Castle|ドイツ)

引用:https://www.travelandleisure.com/trip-ideas/neuschwanstein-castle-germany
“おとぎ話の城”の原型としてディズニー城デザインにもインスピレーションを与えた、世界的メルヘン建築アイコン。19世紀バイエルン王ルートヴィヒ2世の夢が実現したロマンティック・リヴァイヴァル様式で、険しいアルプス山を背景に尖塔が林立する姿は荘厳。内部は中世騎士伝説をテーマにした壁画、美しく機械化された近代設備(当時としては先進的)などが満載です。外観は完成度が高い一方、王の死で計画の多くが未完に終わった“永遠の未完成城”という物語性も加点ポイントです。
まとめ
城は行くたびに天気や光で表情が変わり、歴史を知るほど奥行きが増す“リピート必至”コンテンツ。次の休暇、どの石壁の上に夕陽を見に行きますか?