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世界的に有名な天才経済学者ランキングTOP15

世界は日々めまぐるしく変化し、その波を「お金」というエネルギーで支えているのが経済です。そんな経済の仕組みや働きを解き明かすのが経済学者たちの仕事。彼らの理論は私たちの生活や政策にダイレクトに影響を与え、時には世界を大きく変えることさえあります。今回は、そんな世界的に名高い経済学者をランキング形式で15位から1位までご紹介します。さっそく見ていきましょう!

第15位:レオン・ワルラス(Léon Walras)

By Philippe-Félix Dupuis (painter). Photographic reproduction by Claude Bornand. – This file has been extracted from another file, CC BY-SA 4.0, Link



フランスの経済学者で、需要と供給を数式で表し、経済のあらゆる市場が同時に均衡すると考える画期的なアプローチを確立しました。従来の古典派とは一線を画す数学的分析が特徴で、現代の数理経済学の基礎を築いた第一人者です。

第14位:トースタイン・ヴェブレン(Thorstein Veblen)

Public Domain, Link



アメリカの制度派経済学者で、社会学的な視点から経済を分析した異色の存在。「有閑階級の理論」で知られ、富裕層が“他人の目を気にして行う消費”=顕示的消費を批判的に描き出しました。経済活動を文化や慣習、制度面と結びつけて読み解くユニークな思想は、今なお多方面の議論に影響を与えています。

第13位:アルフレッド・マーシャル(Alfred Marshall)

By Emery Walker – Keynes, John Maynard (September 1924). “Alfred Marshall, 1842-1924“. The Economic Journal 34: 310..Republished with date and photographer in Pigou, A.C. , ed. (1925) Memorials of Alfred Marshall, London: McMillan and Co., Public Domain, Link



イギリスの経済学者で、経済学を「需要と供給」や「消費者余剰・生産者余剰」という概念でわかりやすく整理し、現代のミクロ経済学の基礎を作った立役者。著書『経済学原理』は多くの学生にとって経済学の“入り口”といえる名著です。

第12位:ジョン・スチュアート・ミル(John Stuart Mill)

By George Frederic WattsNational Portrait Gallery, Public Domain, Link



イギリスの哲学者・経済学者で、ベンサムの功利主義を受け継ぎつつ、政治哲学や倫理学にも幅広く貢献。『経済学原理』という同名タイトルの著作を著し、古典派経済学をさらに洗練させました。女性参政権などにも言及するなどリベラルな思想の持ち主で、社会制度の在り方を経済学的観点から論じた点が評価されています。

第11位:フリードリヒ・ハイエク(Friedrich Hayek)

引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Friedrich_Hayek

オーストリア学派の流れをくむ経済学者で、自由市場と個人の選択を重んじる立場を貫きました。計画経済や大きな政府を批判し、分散された知識を最大限に活用できる市場こそが最も効率的と考えたのです。『隷属への道』などの著作で、自由主義の理論基盤を強固に打ち立て、ノーベル経済学賞を受賞しました。

第10位:カール・マルクス (Karl Marx)

By John Jabez Edwin MayallInternational Institute of Social History, Public Domain, Link



「資本論」を著し、社会主義や共産主義の思想に大きな影響を与えたドイツの哲学者兼経済学者。労働者と資本家の対立構造を重視し、資本主義の構造的な問題点を鋭く指摘しました。実際には経済学そのものを体系化したわけではないものの、マルクスの思想は労働運動や政治運動に力強いインスピレーションを与え、20世紀の世界史にも大きな足跡を残しました。

第9位:デヴィッド・リカード (David Ricardo)

引用:https://en.wikipedia.org/wiki/David_Ricardo

「比較優位」の概念を提唱し、国際貿易の利益をわかりやすく説明したイギリスの古典派経済学者。リカードの理論によって、国際関係のなかで「それぞれが得意分野に特化し、貿易を行うことが世界全体の生産性を上げる」という考え方が定着しました。そのシンプルなモデルは現代でも教科書レベルで語り継がれる重要な基礎理論です。

第8位:トマ・ピケティ (Thomas Piketty)

By Gobierno de ChileJefa de Estado recibió en audiencia al economista francés Thomas Piketty, CC BY 2.0, Link



『21世紀の資本』で「格差問題」に大きな光を当てたフランスの経済学者。歴史的データを大量に分析し、富裕層と中間層・貧困層の間にある所得格差が資本主義の構造的な課題であることを示しました。彼の研究は世界中で大きな議論を巻き起こし、再分配政策や累進課税の在り方に新たな視点をもたらしています。

第7位:ポール・クルーグマン (Paul Krugman)

By The White House – https://www.flickr.com/photos/whitehouse/53234995598/, Public Domain, Link



国際貿易や経済地理学の領域で革新的な理論を打ち立てたアメリカの経済学者。ノーベル経済学賞を受賞し、ニューヨーク・タイムズでのコラムでも有名です。分かりやすい文章と鋭い分析で、経済の課題や政治のトピックを一般の読者にも丁寧に解説することで知られ、現代社会への発信力は抜群です。

第6位:ジョセフ・E・スティグリッツ (Joseph E. Stiglitz)

By Jérémy Barande / Ecole polytechnique Université Paris-Saclay, CC BY-SA 2.0, Link



元世界銀行のチーフエコノミストも務めたアメリカの経済学者。情報の非対称性や市場の失敗に焦点を当てる研究でノーベル経済学賞を受賞しました。貧困問題やグローバリズムへの批判的視点を持ち、国際政治の場でも積極的に発言しています。経済学をツールとして、より公正な社会を実現しようとする姿勢が特徴的です。

第5位:アマルティア・セン (Amartya Sen)

By Fronteiras do PensamentoAmartya Sen no Fronteiras do Pensamento São Paulo 2012, CC BY-SA 2.0, Link



経済学だけでなく、倫理学や政治哲学の領域にも踏み込んで活躍するインド出身の経済学者。貧困や不平等、福祉といった社会問題をアカデミックかつ実践的に研究し、「ケイパビリティ・アプローチ」という概念を提唱しました。これは人々が本当に“できること”や“なりたい姿になれること”に焦点を置く考え方で、多くの国際機関の政策立案に影響を与えています。

第4位:ポール・サミュエルソン (Paul Anthony Samuelson)

By Gotfryd, Bernard, photographer – Professor Paul A. Samuelson, economist, Public Domain, Link



ミクロ経済学とマクロ経済学の基礎理論を整理・体系化し、多くの教科書の原型を作り上げました。ノーベル経済学賞の初期受賞者の一人でもあり、難解な理論をわかりやすくまとめる手腕は後進の学者たちにも大きな影響を与えています。

第3位:ミルトン・フリードマン (Milton Friedman)

By Bachrach Studioshttps://www.gettyimages.com/detail/news-photo/portrait-of-the-noted-american-economist-milton-friedman-news-photo/82645388, Public Domain, Link



自由市場経済を強く支持し、「マネタリズム」という貨幣供給を重視する政策を提唱したアメリカの経済学者。政府の介入を最小限に抑え、市場原理を信頼する立場をとったことで、20世紀後半の経済政策に大きな影響を及ぼしました。特に1970年代から80年代にかけての英米の金融・経済政策で、その理論が一躍脚光を浴びました。

第2位:ジョン・メイナード・ケインズ (John Maynard Keynes)

引用:https://en.wikipedia.org/wiki/John_Maynard_Keynes

世界恐慌の真っ只中に「有効需要」という概念を打ち出し、政府による経済政策の重要性を説いたイギリスの経済学者。「ケインズ革命」と呼ばれる大きな潮流を引き起こし、現代のマクロ経済政策に多大な影響を与えました。公共投資や金融政策を積極的に活用する考え方は、財政政策の基本形として今もあらゆる国で取り入れられています。

第1位:アダム・スミス (Adam Smith)

By Unknown author – https://www.nationalgalleries.org/art-and-artists/3787/adam-smith-1723-1790-political-economist, Public Domain, Link



「国富論」を著して経済学を一大体系として打ち立てた、いわば“経済学の始祖”とも称されるスコットランドの哲学者兼経済学者。自由競争のメカニズムと「神の見えざる手」の概念で有名で、個人の利己的な行動が結果として社会全体の利益につながる可能性を説きました。現代の市場経済の基礎を作り上げた立役者として、その功績は計り知れません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は経済学の歴史と理論を形作る15人の巨匠をご紹介しました。複雑な経済世界を理解する一歩として、これらの理論を追いかけてみると、新たな発見や視点がきっと得られるはずです。経済と私たちの暮らしは密接に結びついているからこそ、彼らが示すヒントを大切にしたいものですね。