勉強・進路

【職業インタビュー】ケアマネージャーの仕事について、実際に聞いてみました!

高齢化が急速に進む日本において、介護の必要な高齢者が安心して暮らせる社会を支える存在がケアマネージャーです。介護保険制度の要となり、利用者と介護・医療サービスをつなぐ「調整役」として、日々多くの家庭や医療・福祉の現場を支えています。しかし、その仕事内容や役割は広く知られているとは言えません。どのような資格が必要で、どのようなやりがいがあり、そしてどのような未来が待っている職業なのでしょうか。本記事では、現場をよく知るケアマネージャーへの質問を通して、その仕事の本質や魅力、そして進路として考える学生へのメッセージをお届けします。介護の現場に関心を持つ方にとって、職業選択のヒントとなるはずです。

ケアマネージャーとはどんな仕事ですか?

ケアマネージャーは、高齢者や障害のある人が自宅や施設で安心して生活できるよう、介護サービスを受けるための支援を行う専門職です。利用者や家族の困りごとを聞き取り、必要な支援を整理し、介護サービス事業者と連携しながらケアプランを作成し、生活がうまく回るように継続的にサポートします。

どんな資格が必要ですか?

介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を修了することが必要です。受験には、介護福祉士や看護師など一定の資格を持ち、実務経験が求められます。そのため、まずは介護や医療の現場で経験を積むことが必要になります。

一日の仕事の流れを教えてください。

利用者宅を訪問し状況を確認したり、事業所との連絡調整を行ったり、ケアプラン作成のための書類整理や相談対応など、多岐にわたります。緊急の相談が入ることもあり、スケジュール通りに進まないこともありますが、生活に密着したやりがいがあります。

コミュニケーション能力は必要ですか?

非常に重要です。利用者はもちろん、家族、医師、看護師、介護事業所など、多くの関係者と調整を行うため、相手の思いを汲み取りながら話を進めていく力が求められます。

仕事で嬉しいと感じる瞬間は?

利用者が安心して生活できるようになったときや、家族から感謝の言葉をいただいたときです。困難を一緒に乗り越えた実感が得られる瞬間は、何ものにも代えがたい喜びがあります。

大変なところは何ですか?

制度が複雑で変更も多いため常に最新の知識が必要なことと、多職種との連携調整に気を遣う点です。また、利用者の生活全体を支える立場のため、責任の大きさを感じることもあります。

どんな人が向いていますか?

人の話を丁寧に聞ける人、冷静な判断ができる人、調整役として粘り強く関われる人が向いています。「誰かの支えになりたい」という気持ちが一番大切です。

どのような職場が多いですか?

居宅介護支援事業所や介護施設が中心です。地域包括支援センターで働くこともあり、地域全体の高齢者支援に携わる機会もあります。

利用者との関係づくりで意識していることは?

安心して相談できる存在になるために、相手の生活や価値観に敬意を払いながら向き合うことを大切にしています。無理のない目標設定を一緒に考えることも重要です。

ICTやDXは進んでいますか?

記録やケアプラン作成ソフトの普及が進んでいますが、まだ紙の書類も多く残っています。今後さらに効率化やデジタル化が期待されています。

年収について教えてください。

経験年数や職場、地域によって幅がありますが、多くの場合は介護職のなかでは中堅からやや高めといえる水準です。資格手当や役職手当が付くこともあります。キャリアを積むことで収入が上がる可能性がありますが、責任も伴います。

研修やスキルアップの機会はありますか?

制度改正への対応や専門性の向上を目的とした研修が定期的に行われ、新しい知識を学び続けることが求められます。学んだことがすぐに現場に活きるため、学びがいがあります。

キャリアパスを教えてください。

主任ケアマネージャーとして後進を指導したり、地域包括支援センターで地域支援に携わったりする道があります。また、介護事業所の管理者、行政職員として制度運用に関わることも可能です。病院や在宅医療の分野で活躍する人も増えています。

今後の需要はどうなりますか?

高齢化が進む日本にとって欠かせない存在であり、今後も需要は高いと考えられます。地域包括ケアの推進に伴い、より専門性と柔軟な対応力が求められるようになります。

最後に、進路に悩んでいる学生へアドバイスをお願いします。

迷ったときこそ、誰かの役に立てる仕事を選んでほしいです。ケアマネージャーは、人の人生に寄り添い支える大変な仕事ですが、そのぶん深い達成感があります。経験が力になる職業なので、まずは介護や医療の現場に触れ、自分の可能性を広げてみてください。