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【職業インタビュー】薬剤師の仕事について、実際に聞いてみました!

薬剤師は、医療の最前線で人々の健康を支える欠かせない存在です。病院や調剤薬局、ドラッグストア、製薬企業など、活躍の場は多岐にわたります。薬を正しく、安全に使うための専門知識を持ち、患者の生活や治療に寄り添う姿勢が求められる職業です。近年では、高齢化の進行や地域医療の重要性が増す中で、薬剤師の役割はますます広がっています。本記事では、薬剤師の仕事内容から年収、キャリアパス、将来性までを記者の質問形式で詳しく解説し、進路に悩む学生へのメッセージもお届けします。

1. 薬剤師の主な仕事内容は何ですか?

薬剤師の仕事は「薬の専門家」として、医師が処方した薬を安全かつ効果的に患者へ提供することを中心に展開します。調剤薬局や病院では、処方箋に基づく調剤、服薬指導、副作用の確認、薬歴管理を行います。また、ドラッグストア勤務の薬剤師は一般用医薬品の販売や健康相談、地域医療への貢献なども担っています。

近年では、地域包括ケアの一環として在宅医療に関わるケースも増加しており、患者の自宅を訪問して服薬管理を行う「在宅訪問薬剤師」も注目されています。

2. 薬剤師になるにはどのような資格が必要ですか?

薬剤師になるには、大学で6年制の薬学課程を修了し、「薬剤師国家試験」に合格する必要があります。国家試験の合格率は毎年60〜70%前後で、薬学知識だけでなく、医療倫理や法律の理解も求められます。さらに、実務実習(病院・薬局での実地研修)を通じて、臨床現場でのスキルを身につけることも必須です。

3. 薬剤師の勤務先にはどのような種類がありますか?

薬剤師の勤務先は大きく分けて5つあります。(以下、ライターによる要約)

  • 調剤薬局:全体の約6割が勤務。地域のクリニックと連携して処方薬を提供。
  • 病院・診療所:医師とチームを組み、入院患者への薬物治療サポートを行う。
  • ドラッグストア:一般用医薬品の販売、健康相談、OTC医薬品の提案など。
  • 製薬企業:研究開発、品質管理、医薬情報担当者(MR)など多岐にわたる。
  • 行政機関・公務員:厚生労働省、保健所、検査機関などで薬事行政に携わる。

4. 年収について教えてください。

薬剤師の平均年収は約500〜600万円前後ですが、勤務先や経験によって大きく異なります。(以下、ライターによる要約)

  • 調剤薬局:450〜550万円程度
  • 病院薬剤師:400〜500万円程度(公立病院は安定しているが昇給は緩やか)
  • ドラッグストア:550〜700万円(管理薬剤師や店長職でさらに上昇)
  • 製薬企業:600〜900万円(研究・開発職は高収入傾向)

地方では薬剤師不足の影響から高収入の求人も多く、年収800万円を超えるケースも見られます。

5. 薬剤師の勤務時間や働き方は?

勤務先によって差があります。調剤薬局では日勤が中心で、夜勤はほぼありません。一方、病院薬剤師は当直や夜勤が発生することがあります。ドラッグストアでは営業時間が長く、シフト制勤務が一般的です。

近年は、ワークライフバランスを重視する傾向が強まり、時短勤務や在宅勤務制度を導入する企業も増えています。

6. 薬剤師のやりがいは何ですか?

患者から直接「ありがとう」と言われる瞬間が何よりのやりがいです。特に、服薬指導を通して副作用を防いだり、患者の生活習慣改善に貢献したりすることで、医療の最前線に立つ責任と喜びを感じられます。

また、薬の専門家としてチーム医療に関わり、医師や看護師と協力して治療方針を考える場面も多くあります。

7. 薬剤師の需要は今後もありますか?

はい。高齢化社会が進む日本では、薬剤師の需要は引き続き高いとされています。特に「在宅医療」「地域連携」「かかりつけ薬剤師制度」などの分野で活躍の場が広がっています。

ただし、都市部では薬剤師の数が飽和傾向にあり、地方や在宅医療領域でのニーズが高まっている点は特徴的です。

8. 薬剤師の仕事に向いている人の特徴は?

薬剤師には、責任感・正確性・コミュニケーション能力が求められます。薬の取り扱いには一切のミスが許されないため、細部に注意を払える人が向いています。また、患者との信頼関係を築く力や、チーム医療での協調性も重要です。

9. 働く上での大変な点は?

責任の重さと業務の正確性が常に求められる点です。薬の調剤ミスや副作用の見落としは命に関わるため、精神的なプレッシャーもあります。また、医師や看護師との連携、患者との対応など、コミュニケーション能力も不可欠です。

10. 薬剤師の転職や再就職はしやすいですか?

非常にしやすい職種です。薬剤師は国家資格であり、全国どこでも働くことができます。結婚や出産後に職場復帰する女性薬剤師も多く、パートや時短勤務など柔軟な働き方が可能です。

11. 薬剤師の資格を活かした別職種には何がありますか?

資格を活かして、医薬品メーカーの品質管理・臨床開発モニター(CRA)・治験コーディネーター(CRC)・行政職など多方面に進むことができます。最近では、AI医療やデータサイエンス領域に進出する薬剤師も増加しています。

12. 薬剤師の仕事にAIやデジタル技術は影響しますか?

すでに影響が出ています。AIによる調剤監査や服薬管理システムが導入され、業務の効率化が進んでいます。しかし、患者の相談や臨機応変な判断など、人間にしかできない部分も多く、薬剤師の役割は「人に寄り添う医療専門職」へとシフトしています。

13. 海外で薬剤師として働くことは可能ですか?

国によっては、日本の資格をそのまま認めない場合が多いため、現地の資格取得が必要です。ただし、外資系製薬企業や国際医療支援団体などでは、語学力と薬学知識を活かして活躍できるチャンスがあります。

14. 最後に、進路に悩んでいる学生へアドバイスをお願いします。

薬剤師は「人の健康と命を支える仕事」です。単に薬を渡すだけでなく、患者の生活に寄り添い、より良い医療を実現する重要な役割を担います。
もし「人の役に立ちたい」「医療に関わりたい」という想いがあるなら、薬剤師という道は大きなやりがいと可能性を与えてくれるはずです。焦らず、自分がどんな医療人になりたいかをじっくり考えて進んでください。