戦争や紛争の歴史とともに、人類はさまざまな兵器を生み出してきました。その中には、破壊力があまりにも大きく、影響が非人道的であるために、国際的に禁止されたものがいくつも存在します。この記事では、世界中の国々が使用を禁止した最も危険な兵器をランキング形式でご紹介。第5位から第1位までの恐ろしい兵器たちに迫り、その破壊力や禁止に至るまでの経緯を見ていきましょう。準備はいいですか?それでは始めましょう!
第5位:対人地雷(Anti-Personnel Mine)
MoserB – 自ら撮影, パブリック・ドメイン, リンクによる
まずは第5位、対人地雷です。これは小型の地雷で、地面に埋められ、人が踏むと爆発する仕組みになっています。対人地雷は軍事作戦の際に敵の進行を妨害するために使用されてきましたが、その恐ろしい点は爆発が長年にわたり人命に危険を及ぼすことです。一度埋設されると地雷の位置はわからなくなり、紛争が終わった後も民間人が犠牲になるケースが後を絶ちません。そのため、1997年に「オタワ条約」により、対人地雷の使用は国際的に禁止されました。現在も多くの国で地雷除去活動が行われており、悲劇を防ぐための努力が続けられています。
第4位:クラスター爆弾(Cluster Bombs)
Vuong Tri Binh – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
第4位にランクインしたのはクラスター爆弾です。これは、空中で複数の小型爆弾をばら撒き、一帯に広範囲のダメージを与える兵器です。爆発の範囲が広いため、軍事目標のみならず、周辺の民間人やインフラにも甚大な被害をもたらします。さらに、ばら撒かれた小型爆弾の一部が不発のまま残ることが多く、これが戦後も長年にわたって人々の安全を脅かす原因になっています。この非人道的な性質から、2010年に発効した「クラスター弾条約」により、クラスター爆弾の使用は全面的に禁止されています。
第3位:神経ガス(Nerve agent)
第3位には化学兵器である神経ガスが登場。サリンやVXガスなどの神経ガスは、一度吸い込むと呼吸や心拍をコントロールする神経系に作用し、短時間で致命的なダメージを与えます。無色無臭であるため、気づいたときにはすでに遅いという特徴を持ち、使用された地域一帯に死の恐怖を撒き散らします。これらの化学兵器は、1980年代のイラン・イラク戦争などで実際に使用され、多くの犠牲者を出しました。これにより1993年に「化学兵器禁止条約」に基づき神経ガスは国際的に禁止され、製造・保有・使用のすべてが厳しく制限されています。
第2位:生物兵器(Biological warfare)
第2位にランクインしたのは、人類の脅威となりうる生物兵器です。これは、病原菌やウイルスを使用して敵の人体に病気を感染させる兵器で、ペスト菌や炭疽菌がよく知られています。生物兵器は直接的な破壊力を持たないものの、感染した人から次々に拡散し、パンデミックを引き起こす可能性があるため、被害の規模は測り知れません。1940年代以降、研究と開発が進められてきましたが、その非人道的な性質から、1975年に「生物兵器禁止条約」が発効し、使用と開発が禁止されました。
第1位:核兵器(Nuclear Weapon)
United States Department of Energy – Trinity and Beyond: The Atomic Bomb Movie, パブリック・ドメイン, リンクによる
そして堂々の第1位は、やはり核兵器です。広島・長崎への原爆投下で見られたように、核兵器は瞬時に都市を壊滅させ、膨大な数の命を奪うだけでなく、放射線による長期的な影響も非常に大きいのが特徴です。放射線障害は被爆後も数十年にわたり人々の健康に影響を及ぼし、世代を超えた被害をもたらすため、現在もなお核兵器の脅威は続いています。核不拡散条約(NPT)や2021年に発効した核兵器禁止条約により、核兵器の使用は厳しく制限され、全廃を目指す努力が進められていますが、現実的な核軍縮には多くの課題が残っています。
以上、世界が禁止した最も危険な兵器ランキング第5位から第1位までを紹介しました。対人地雷やクラスター爆弾、生物兵器など、これらの兵器は戦争の恐ろしさと人命への深刻な影響を如実に物語っています。これらの兵器が過去に使用されてきた悲惨な歴史が、私たちに平和の重要性を改めて教えてくれます。