戦争や紛争において使用される兵器の中には、あまりに非人道的、あるいは被害が甚大すぎるために世界の国々が「これはダメだ」と声をそろえて禁止・制限するものがあります。そんな恐ろしい兵器たちを、今回ばかりはトップ6のランキング形式でご紹介。見るだけでもぞっとする兵器もあれば、「こんなのまであるの!?」と驚くものまで、ぜひ最後までご覧ください。
第6位:焼夷兵器 (Incendiary Weapons)

いわゆる「焼夷弾」や「ナパーム弾」といった、対象を焼き尽くすことを主目的とする兵器です。火炎放射器なども広い意味では含まれますが、その使用は国際人道法により大幅に制限されています。市街地などに使われれば大規模な火災を引き起こすため、一般市民に甚大な被害が及ぶ恐れがあるんですね。全面的に“全世界で”禁止されているわけではありませんが、民間人地域への使用はほぼタブー視されています。
第5位:化学兵器 (Chemical Weapons)

毒ガスや神経ガスなど、化学物質を利用して人間や生態系に大被害を与える兵器です。マスタードガス(Mustard Gas)やVXガス(VX Gas)といった名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。1925年のジュネーヴ議定書や1993年の化学兵器禁止条約(CWC)などで、開発・生産・貯蔵・使用が原則として禁止されています。その恐ろしい効果から、過去には多くの犠牲者が出ました。
第4位:バイオ兵器 (Biological Weapons)
細菌やウイルスなど、生物学的な病原体を意図的にばら撒く兵器です。病気を大規模に蔓延させ、戦闘不能や大量死を狙うという、想像するだけでも恐ろしさ満点の代物。1972年に生物兵器禁止条約(BWC)が採択され、開発や生産、保有などが厳しく禁止されています。感染が爆発的に広がる可能性があるため、国境を超えて“世界的脅威”になってしまう恐れが非常に高いのが特徴です。
第3位:クラスター爆弾 (Cluster Munitions)

空から投下すると、中に詰め込まれた小型爆弾が大量にばらまかれる仕組みの爆弾です。投下エリア一帯に不発弾が残りやすく、長期にわたって民間人が被害を受ける可能性が高いのが問題視されてきました。そのため、2008年にクラスター弾禁止条約(オスロ条約)が制定され、使用や保有が禁止されています。しかし、一部の大国は未加盟であり、完全な廃絶には課題が残っています。
第2位:対人地雷 (Anti-Personnel Landmines)

地面に埋められ、踏むと爆発する仕組みの地雷です。兵士だけでなく民間人、さらには紛争終了後も子どもや農民などが被害に遭うことが深刻な問題。1997年のオタワ条約(対人地雷禁止条約)によって、多くの国で生産や使用が禁止されました。ただし、こちらも大国の一部が条約に加わっておらず、世界的な課題はまだまだ山積みです。
第1位:核兵器 (Nuclear Weapons)

世界を一撃で壊滅させる可能性を持つ、最強・最悪の破壊力を備えた兵器。2017年には核兵器禁止条約(Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons)が国連で採択され、一部の国では法的に「所有も使用も禁止!」という流れになっています。しかし、核保有国や同盟国の多くが署名・批准していないため、現実としてはまだ“完全禁止”には遠いのが実情。とはいえ、その破壊力・放射能の惨状があまりにも悲惨なため、人類共通の脅威であることは間違いありません。
まとめ
以上、「禁止されている(もしくは強く制限されている)兵器」をご紹介しました。戦争や紛争において、いかに人道に反する行為や長期的被害が深刻視されているかが伝わったのではないでしょうか。どの兵器も「こんなことまでしてしまうのか…」と驚いてしまうほど残酷なものばかり。国際法の整備や条約の締結、技術の制限など、世界は少しでも悲惨さを減らそうと努力を続けています。私たちがこうした情報を知り、目を向けることも、平和への小さな一歩。この記事がそんなきっかけになれば幸いです。