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びっくり!世界の変わったチーズランキングTOP10

旅は舌でできる――そう豪語したくなるほど、世界のチーズは個性的で刺激的。今回は「クセ強だけど一度は味わいたい!」というユニークなチーズを10種ピックアップし、ランキング形式でご紹介します。さぁ、未知なる発酵ワールドへテイクオフ!

第10位 ヴィユ=ブローニュ(Vieux‑Boulogne)


“世界一クサい”の称号を英独仏研究チームから何度も奪取した北仏生まれのチーズ。ところが味はまろやかなミルク感と麦芽の甘みで意外に優しいギャップ萌えチーズです。

第9位 チュルピ(Chhurpi)


ネパールやブータンの高地でつくられる“世界最硬”のヒマラヤチーズ。現地では登山のお供に数時間噛み続ける“ミルク系ガム”扱い。素朴なスモーキーさがじわりと染み出し、アウトドアで食べれば山メシ上級者の気分!

第8位 キャメルバート(Camelbert)


ドバイのラクダ農園発、ラクダ乳100%の白カビチーズ。コクはたっぷりなのに後味はスッと軽く、ビタミンC や不飽和脂肪酸も豊富で“砂漠のスーパーフード”と呼ばれます。名前のしゃれっ気も◎。

第7位 ムースチーズ(Moose Cheese)


スウェーデン北部の牧場「Älgens Hus」で3頭のヘラジカ姉妹だけが生産する超レア物。年産わずか約300 kgでお値段は1ポンド500ドル級。味わいは草原ハーブのニュアンスが強く、まさに“北欧の森を凝縮した”味。

第6位 ブルー・ド・テルミニョン(Bleu de Termignon)


フランス・サヴォワの山小屋で夏季だけ手づくりされる“天然ブルーチーズ”。青カビを種付けせず、山小屋に漂う自然の胞子だけでマーブル模様が生まれる職人芸。ミルクの甘みとやわらかな青カビの辛味が溶け合う一期一会の味わい。

第5位 ミルベンケーゼ(Milbenkäse)


ドイツの村ヴュルシュヴィッツで継承される“ダニ熟成チーズ”。ライ麦粉の箱へ投入→チーズダニに齧らせ→酵素で熟成…という驚きの工程で、柑橘の皮のようなビター香とハルツァー似の酸味がクセになる逸品。

第4位 ビット・ストリコ(Bitto Storico)


ロンバルディア州アルプス産。標高2000 m の牧草だけを食べた牛と山羊の混乳を銅鍋で炊き上げ、洞窟で最長10年以上熟成。“食べられるタイムカプセル”とも呼ばれ、ねっとりキャラメル→クリスピー結晶へと味わいが変幻します。

第3位 エポワス・ド・ブルゴーニュ(Époisses de Bourgogne)


ナポレオンが“チーズの王”と称賛、パリのメトロで持ち込み禁止という伝説まで持つ強香チーズ。マール・ド・ブルゴーニュで洗うことで生まれるレンガ色の表皮と、とろける甘塩っぱさがワイン党の心を射止めます。

第2位 プーレ(Pule)


セルビア・ザサヴィツァ自然保護区だけで製造される“世界一高価”なドンキー&ゴートミルクチーズ。1 kg 作るのに25 L のロバ乳が必要で、価格は1 kg あたり約1500ドル。味はマッシュルームとマルメロを思わせる複雑系。

第1位 カス・マルツゥ(Casu Marzu)


堂々のトップはサルデーニャ島の“生きてるチーズ”。羊乳ペコリーノをチーズバエの幼虫に食べさせ、分解酵素でクリーミーに。ラルヴァが跳ねるうちが食べ頃というワイルドさは唯一無二。強烈なアンモニア香の向こうに深い旨みが潜みます。

まとめ

チーズは単なる乳製品にあらず――文化と自然、そして少しの狂気が生んだ“食の冒険譚”です。今回の10種は、香りも物語も超ド級。旅先で見かけたら勇気を出して一口トライしてみてください。きっと、記憶に残る“発酵エクストリーム体験”になるはずです。

さぁ、次はどのチーズの香りに飛び込んでみますか?