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面白い!世界の変わった裁判ランキングTOP10

「裁判」と聞くと難しそうなイメージですが、実は“奇想天外”な訴訟も山ほどあります。今回は、歴史の教科書に載りきらない“ネタ感”満載のユニーク裁判をランキング形式でご紹介。10位から1位へ、驚きの判決と人間ドラマを一気に駆け上がりましょう!

第10位 コカ・コーラ樽裁判(United States v. Forty Barrels and Twenty Kegs of Coca-Cola/1916)

「この飲み物、カフェイン盛りすぎじゃない?」と米政府が押収したのは、樽&ケグ入りコカ・コーラ。メーカー側は「いやいや“麻薬”なんて入ってませんが?」と真っ向勝負。最終的にコカ・コーラはカフェイン量を控えめにし、私たちは今も“赤いラベル”をゴクゴクできるようになりました。

第9位 熱すぎるコーヒー裁判(Liebeck v. McDonald’s Restaurants/1994)

引用:https://www.lawinsider.org/post/the-2-9-million-coffee-spill-liebeck-v-mcdonalds-restaurants

ドライブスルーで買ったコーヒーを膝にこぼし大やけど──それが79歳の女性を原告にした“史上最も熱い裁判”。陪審員は「温度設定ヤバすぎ」とマクドナルドに約290万ドルの賠償を命令。以後「ホット注意!」の警告文が世界中のカップに踊ることに。

第8位 サルの自撮り著作権裁判(Naruto v. Slater/2015–2018)

引用:https://metro.co.uk/2015/09/24/a-monkey-is-suing-a-wildlife-photographer-over-the-copyright-of-its-selfie-5405523/

インドネシアの野生のマカク、ナルト君がカメラを奪取し“自撮り”。写真家がその画像を公開したところ、PETAが「著作権はサルのもの!」と提訴。連邦裁判所は「動物には著作権なし」と判断しつつ、最終的に収益の一部を保護活動に寄付することで和解。サル界の“肖像権”議論を巻き起こしました。

第7位 幽霊屋敷瑕疵担保裁判(Stambovsky v. Ackley/1991)

引用:https://thehauntedlibrarian.com/2021/08/18/infamous-stambovsky-v-ackley-haunted-house-just-soldagain/

ニューヨークの古家を購入した男性が入居前に知ったのは「ここ、地元紙公認の“出る家”です」。買主は「そんな重要情報、告知義務でしょ!」と訴え、控訴審で逆転勝訴。「幽霊も不動産取引上の“瑕疵”になり得る」という、現代ホラーさながらの判例が誕生しました。

第6位 ヒト細胞の所有権裁判(Moore v. Regents of the University of California/1990)

白血病患者ジョン・ムーアの脾臓細胞を基に、大学病院が高価値の細胞株を樹立。ムーア氏は「俺の細胞で大儲けなんて許さん!」と訴えましたが、最高裁は「身体組織の商業価値は医療機関へ」と判示。

第5位 死体教皇裁判(Cadaver Synod/897)

By Jean-Paul LaurensMusée des Beaux-Arts, Nantes, Public Domain, Link



ローマ法王フォルモススは他界後に“被告人”として玉座へ。ミイラ化した遺体に法衣を着せ、次の法王が「アンタは異端!」と断罪、三本指を切り落として川へドボン。まさに中世カオスの極み。後世「屍を裁くのはやりすぎ」の教訓に。

第4位 進化論教科書裁判(State of Tennessee v. John Thomas Scopes/1925)

By Smithsonian Institution from United States; Beyond My Ken (talk) 01:35, 4 August 2017 (UTC) – Tennessee v. John T. Scopes Trial: Outdoor proceedings on July 20, 1925, showing William Jennings Bryan and Clarence Darrow. , No restrictions, Link



通称“モンキー裁判”。進化論を教えた高校教師スコープスに対し、聖書至上主義の州法が牙をむきました。全米が「科学vs信仰」で真っ二つ。罰金100ドルの判決ながら、公開法廷はラジオ中継され、教育の自由をめぐる世論を一気に熱狂させました。

第3位 一冊の本と合衆国(United States v. One Book Called “Ulysses”/1933)

引用:https://cbldf.org/about-us/case-files/obscenity-case-files/obscenity-case-files-united-states-v-one-book-called-ulysses/

ジェイムズ・ジョイスの難解長編『ユリシーズ』は「猥褻図書」として税関で押収。出版社は「文学を奪うな」と抗戦し、判事は行間を読み込み「これは芸術だ!」と宣言。新たな表現の自由の扉を開き、米国文学界を救う一筆となりました。

第2位 ニュルンベルク国際軍事裁判(Nuremberg Trials/1945–1946)

引用:https://blogs.icrc.org/cross-files/prosecuting-war-crimes-after-the-second-world-war-the-nuremberg-and-tokyo-trials/

第二次世界大戦後、ナチス指導者22名を裁いた史上初の国際戦犯法廷。「人道に対する罪」を明文化し、国際法の礎を築いたこの法廷は、“正義は国境を越える”ことを世界に示しました。

第1位 O.J.シンプソン殺人事件裁判(People of the State of California v. Orenthal James Simpson/1994–1995)

引用:https://sites.psu.edu/emberpassion/2020/01/30/the-o-j-simpson-trial-distinctions-between-criminal-and-civil-law/

元NFLスーパースターの“ブロンズの手袋”をめぐる世紀の審理。全米がTVにかじり付き、DNA鑑定・人種問題・スター文化が渦巻く中、陪審員は無罪評決。放映された“白いブロンコの逃走劇”は視聴率を塗り替え、エンタメと司法の境界線を曖昧にしました。

まとめ

法廷は堅苦しいだけの舞台ではありません。カフェインの量から幽霊、サルの自撮り、さらには亡骸まで――人間が抱える欲望・理念・好奇心がぶつかる“ドラマの交差点”です。今回の10件は、法律が社会の縮図であること、そして時に笑い・驚き・恐怖を伴いながら進化してきたことを雄弁に物語っています。次のユニーク裁判の主役、ひょっとするとあなたかもしれませんよ。