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高価な楽器ランキングTOP1×5種

「楽器」と聞くと、私たちは音色や演奏者に思いを巡らせがちですが、オークション会場ではその“値札”が主役になることも。世界には、ひと振りやひと叩き、ひと鍵で億単位の紙幣を動かしてしまう“セレブ楽器”が存在します。今回は5つの代表的な楽器カテゴリーごとに“史上最高額”クラスのスターたちをピックアップ。由来から音の魔力まで、ご案内しましょう。

弦楽器:ヴィウテンプス・グァルネリ・デル・ジェス(“Vieuxtemps” Guarneri del Gesù violin)

推定価格:1,600万ドル超(約25億円)

引用:https://www.thestrad.com/lutherie/anne-akiko-meyers-on-playing-the-vieuxtemps-guarneri-del-gesu/7854.article

1741年製、名手アンリ・ヴィウテンプスが愛奏した伝説のヴァイオリン。2012年に非公開取引で16 million USDを突破し、今も「世界最高額の弦楽器」の座を譲りません。現在は米国ヴァイオリニスト、アンネ=アキコ・マイヤーズの“生涯貸与”という粋な形で鳴り続けています。

木管楽器:ウィリアム・キンケイド所有ヴァーン・Q・パウエル製プラチナフルート(Verne Q. Powell Platinum Flute, ex‑William Kincaid)

落札価格:18万7,000ドル(1986年、クリスティーズ)

引用:https://www.powellflutes.com/en/instruments/handmade-custom/platinum/

1939年のニューヨーク万博で武装警備付き展示というVIPデビューを果たした“白銀の笛”。米国フルート界の父ウィリアム・キンケイドが愛用し、彼の教え子が亡くなったのち競りに出されてこの価格を記録。現在はメトロポリタン美術館へ寄贈され、静かに輝きを放っています。

金管楽器:マイルス・デイヴィス “Moon and Stars” トランペット(Miles Davis ‘Moon and Stars’ Martin Committee trumpet)

落札価格:27万5,000ドル(2019年、クリスティーズ)

引用:https://www.rollingstone.com/music/music-news/miles-davis-moon-stars-trumpet-auction-878789/

深いブルーに三日月と星がきらめくワンオフモデル。帝王マイルスが80年代にデザインし、2019年の「Exceptional Sale」で激しい電話応酬の末にハンマーダウン。新オーナーはミシガン州ブルー・ラマ・ジャズクラブのオーナーで、「来店ミュージシャンに吹いてもらう」と宣言。名器は今も“現役”です。

打楽器:リンゴ・スターのルートヴィッヒ・オイスター・ブラックパール・ドラムセット(Ringo Starr’s Ludwig Oyster Black Pearl kit)

落札価格:220万ドル(2015年、ジュリアンズ)

引用:https://thehotbid.com/2019/12/16/ringo-starrs-ludwig-drum-kit-commanded-2-1-million/

ビートルズ初期サウンドを支えた3点セット。180曲のレコーディングと200回超のライヴを経験した“働き者”は、米NFLインディアナポリス・コルツのオーナー、ジム・アーセイ氏の猛烈入札で史上最高額ドラムになりました。

鍵盤楽器:ハインツマン・クリスタル・ピアノ(Heintzman Crystal Piano)

落札価格:3,220,000ドル(2009年、北京オークション)

引用:https://europianosnaples.com/crystal-pianos/

2008年北京五輪開会式でラン・ランが奏でた、アクリル製“全透明”グランド。五輪後ただ一度の競売で22 million 元=約3.22 million USDを記録し、ピアノ界のトップランカーに。音もビジュアルもまさに“クリスタル級”です。

まとめ

音楽は“プライスレス”と言われますが、歴史と物語が刻まれた楽器には時として天文学的な値が付きます。オークションハンマーの一撃で生まれる新たな伝説——それは、音そのものではなく“楽器が歩んだ旅路”へのラブコールなのかもしれません。あなたの押し入れにも、未来のスターが眠っている…かも?