勉強・進路

【職業インタビュー】スクールカウンセラーの仕事について、実際に聞いてみました!

学校という集団生活の中で、子どもたちは勉強や人間関係、将来への不安など、さまざまな悩みを抱えています。そんな子どもたちの心の支えとなり、問題を未然に防ぎ、成長を支援するのがスクールカウンセラーの役割です。教育現場における心理的サポートの重要性が高まる中、スクールカウンセラーは今や欠かせない存在となっています。本記事では、スクールカウンセラーの仕事内容や働き方、収入、必要な資格、そしてやりがいまで、記者の質問を通して詳しく紹介します。心の専門家として教育に携わる道を目指す方にとって、実情と魅力を知る手がかりとなるでしょう。

1. スクールカウンセラーとはどのような仕事ですか?

スクールカウンセラーは、学校に在籍する児童・生徒の心理的支援を専門的に行う職種です。主な業務は、個別相談、心理検査、保護者や教職員への助言、不登校・いじめ・自傷行為などへの危機介入などです。子どもの心の健康を守ることが使命であり、教育と心理の架け橋として機能します。

2. どんな人が向いている仕事ですか?

共感力が高く、相手の気持ちを受け止める姿勢を持つ人が向いています。また、感情的に巻き込まれすぎず、冷静に分析できる力も大切です。さらに、教育現場での、教師・保護者・医療機関などとの多職種連携に柔軟に対応できる協調性も必要です。

3. どのような資格や学歴が必要ですか?

スクールカウンセラーになるには、大学または大学院で心理学を専攻し、「臨床心理士」または「公認心理師」の資格を取得するのが一般的です。特に文部科学省が任用するスクールカウンセラーは、臨床心理士資格保持者が多く採用されています。

4. 仕事内容の1日の流れを教えてください。

午前中は来談予約のある生徒や保護者との面談、午後は教師との打ち合わせや心理教育活動の企画、記録整理などを行います。突然のトラブル(生徒間のいじめや不登校の相談など)に対応することもあり、柔軟なスケジュール管理が求められます。

5. 年収について教えてください。

スクールカウンセラーの年収は、雇用形態によって大きく異なります。
公立学校では多くが非常勤勤務であり、週1〜3日勤務の場合は年収200〜400万円程度です。
常勤や民間の学校法人勤務の場合は年収400〜600万円ほどが目安となります。
大学院修了後すぐに高収入を得るのは難しいですが、経験を積み、専門性を高めることで報酬は上がっていきます。

6. 雇用形態にはどんな種類がありますか?

公立学校では非常勤職員(嘱託)として任用されるケースが多く、1年ごとの契約更新が一般的です。私立学校や大学附属校、教育委員会、児童相談所などでは常勤職として雇用される場合もあります。安定した職を目指すなら、複数の勤務先を掛け持ちする人も少なくありません。

7. 職場環境について教えてください。

職場は小学校・中学校・高校などで、相談室が主な活動拠点です。教員や養護教諭とのチーム連携が欠かせず、組織内での信頼関係の構築が重要です。また、守秘義務を守りながらも、必要に応じて情報共有を行うバランス感覚が求められます。

8. 仕事のやりがいは何ですか?

一人の子どもの心が回復し、笑顔を取り戻す瞬間に大きなやりがいを感じます。
また、授業でのメンタルヘルス教育など、学校全体の心理的安全性を高める活動を通して長期的な変化を実感できることも魅力です。

9. 仕事の大変なところはどこですか?

感情的に重い相談を受けることが多く、精神的な負担を感じる場面があります。
また、学校の中で心理の専門家としての立場が理解されにくいこともあり、孤立感を抱くこともあります。セルフケアの習慣やスーパービジョンの活用が欠かせません。

10. どんなスキルが必要ですか?

臨床心理学的な知識はもちろん、カウンセリング技法、心理検査の実施スキル、危機対応力、チームでの調整力など多岐にわたります。さらに、文書作成能力も求められます。

11. どのような人と関わる仕事ですか?

生徒・保護者・教職員・教育委員会の職員・医療機関の医師や臨床心理士など、多様な人々と関わります。信頼関係を築き、情報共有や協働支援を行うことが大切です。

12. 仕事を続けるために大事なことは何ですか?

「自分一人で抱え込まないこと」が最大のポイントです。専門家同士で相談し合う体制を確保し、燃え尽き症候群を防ぐ工夫が必要です。

13. キャリアパスを教えてください。

初めは非常勤スクールカウンセラーとして経験を積み、その後、常勤職、心理士チーフ、教育委員会の指導主事、大学教員、心理相談センターの所長などへとキャリアアップする例があります。
また、「公認心理師」として医療機関や企業で活躍する道も開けています。

14. 将来性や需要について教えてください。

子どものメンタルヘルスへの関心が高まっており、スクールカウンセラーの需要は年々増加しています。
国も「スクールカウンセラー全校配置」を目標に掲げており、心理職の社会的地位も向上しています。AIやデジタルツールを活用した新しい支援の形も広がりつつあります。

15. 最後に、進路に悩んでいる学生へアドバイスをお願いします。

スクールカウンセラーの道は簡単ではありませんが、人の心に寄り添う力を持ち、社会に貢献できる非常に尊い仕事です。
「誰かの助けになりたい」という気持ちを大切に、焦らず経験を積んでください。心理学の学びは、自分自身を理解することにもつながります。あなたの成長が、きっと誰かの支えになる日が来るでしょう。