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【職業インタビュー】キャリアコンサルタントの仕事について、実際に聞いてみました!

現代の日本では、働き方やキャリアの在り方が大きく変化しています。終身雇用が当たり前ではなくなり、転職や副業、リスキリング(学び直し)が一般的となる中で、「自分らしい働き方」を模索する人が増えています。そんな時代において、個人のキャリア形成を支援する専門家が「キャリアコンサルタント」です。職業選択に悩む学生から、転職やキャリアチェンジを考える社会人まで、幅広い層に寄り添い、将来への道筋を共に考える存在として注目を集めています。本記事では、キャリアコンサルタントという職業の実態や魅力、そしてその将来性について、質問を通して詳しく探っていきます。

1. キャリアコンサルタントとはどのような仕事ですか?

キャリアコンサルタントは、個人の職業選択やキャリア形成を支援する専門家です。求職者や在職者、学生などに対して、適性や希望を踏まえた進路相談、履歴書・面接指導、職業訓練の提案などを行います。また、企業内では人材育成やキャリア開発制度の構築にも関わります。国家資格として位置づけられており、専門的知識と倫理観が求められます。

2. 主な勤務先はどのようなところですか?

ハローワークや民間の人材紹介会社、大学・専門学校のキャリアセンター、企業の人事部門などが代表的な勤務先です。独立開業してフリーランスとして活動するキャリアコンサルタントも増えています。それぞれの環境で求められるスキルは異なりますが、共通して「相談者の成長を支える姿勢」が重要です。

3. 資格取得にはどのようなプロセスが必要ですか?

国家資格「キャリアコンサルタント」を取得するには、指定養成講座を修了したうえで、学科試験と実技試験に合格する必要があります。試験では理論的知識に加えて、実際の面談を想定したロールプレイ形式の評価も行われます。合格後は5年ごとに更新講習を受け、最新の知識を維持することが求められます。

4. 仕事のやりがいは何ですか?

相談者が自分の強みや将来像に気づき、新しい一歩を踏み出す瞬間に立ち会えることが最大のやりがいです。また、長期的な支援を通じて成長を実感できることも魅力のひとつです。人の人生に深く関わるため、責任感と同時に大きな達成感を得られます。

5. 逆に大変なところは何ですか?

相談者の抱える悩みが深刻な場合、心理的負担を感じることがあります。また、経済情勢や労働市場の変化に敏感でなければならず、常に知識をアップデートする努力が必要です。加えて、成果が数字に現れにくい点もプレッシャーとなることがあります。

6. どのような人に向いている職業ですか?

傾聴力や共感力が高く、人の話をじっくり聞ける人が向いています。また、論理的に状況を分析し、適切な助言ができる力も必要です。相手の主体性を尊重できる人、人の成長を喜べる人にとっては天職となり得る仕事です。

7. どんなスキルが求められますか?

心理学やカウンセリング理論、労働法、職業情報など幅広い知識が求められます。さらに、面談技術、ファシリテーション、プレゼンテーション能力も重要です。企業勤務の場合は、人事制度や評価制度に関する知識も役立ちます。

8. 一日の仕事の流れを教えてください。

午前中は相談予約の準備や資料作成、午後は面談対応という流れが多いです。1日3~5件程度の面談を行うことが一般的で、その合間に報告書の作成や研修、社内ミーティングを行います。勤務先によっては、セミナー講師や就職イベントの運営を担当する場合もあります。

9. 仕事の成果はどのように評価されますか?

企業や団体によって異なりますが、相談件数や満足度アンケート、就職決定率などが評価基準となることが多いです。数値化しにくい部分も多いため、上司やチーム内でのフィードバックが重要な役割を果たします。

10. 年収について教えてください。

キャリアコンサルタントの年収は、勤務先や経験によって幅があります。一般的には300万円~600万円程度が相場ですが、企業内人事やマネジメント職の場合は700万円以上になることもあります。

11. キャリアパスを教えてください。

初めはキャリアセンターや人材紹介会社で相談業務を行い、経験を積むと企業の人事部門や教育研修担当、マネージャー職に進むケースがあります。また、独立して個人事業主や講師として活動する人も多いです。大学や自治体のアドバイザー、キャリア教育の専門家として活躍する道もあります。

12. キャリアコンサルタントの需要は今後どうなりますか?

働き方の多様化や転職市場の拡大により、需要は確実に増加しています。特に企業内でのキャリア支援やメンタルケアが重視される中、専門的な知見を持つコンサルタントのニーズは高まる一方です。高齢者や障がい者支援など、新たな領域でも活躍の場が広がっています。

13. フリーランスとして働く場合の注意点は?

収入が不安定になりやすいため、複数の収入源を持つことが重要です。例えば、キャリア相談、企業研修、講演、執筆などを組み合わせる働き方が一般的です。信頼を得るためには、継続的な発信やネットワークづくりが欠かせません。

14. 仕事で特に印象に残っているエピソードはありますか?

長年就職活動に苦しんでいた学生が、自分の強みを見出して内定を得たときの笑顔が忘れられないです。また、キャリアに悩む中堅社員が面談を通して「自分の価値観に気づいた」と話してくれる瞬間も、この仕事の醍醐味です。

15. 最後に、進路に悩んでいる学生へアドバイスをお願いします。

焦らず、自分を知ることから始めましょう。向き・不向きを決めつけず、興味のある分野を体験してみることが大切です。キャリアは「選ぶもの」ではなく、「つくっていくもの」です。失敗も成長の糧になります。迷ったときは、一人で抱え込まずにキャリアコンサルタントなどの専門家に相談してみてください。