草花や樹木と聞くと、可憐な花や爽やかな緑を連想しがちですが、中には恐るべき毒を持ち、人間や動物に深刻な被害を与える植物も存在します。自然界の神秘は時に私たちの想像を超え、見た目の美しさとは裏腹に「触ると危険」「食べたら致命的」など、ぞっとするような特徴を持った仲間たちも。今回は、そんな世界の危険な植物を15種ピックアップしました。思わずひやりとする事例を、さっそく見てみましょう!
第15位:イヌサフラン(Autumn Crocus / Colchicum autumnale)

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8C%E3%82%B5%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3
可愛らしいピンクや紫色の花が、秋の庭先を彩るイヌサフラン。しかし、その球根や種子には「コルヒチン」という毒が含まれ、摂取すると嘔吐や下痢、場合によっては呼吸困難など命に関わる症状を引き起こすことも。食用のサフランと見た目が似ており、混同しやすいのが怖いところです。
第14位:ヒガンバナ(Red Spider Lily)

燃えるような赤い花が目を惹くヒガンバナの球根部にはアルカロイド系の毒が含まれており、誤食すると腹痛や嘔吐を引き起こします。昔は害獣や虫から田畑を守るために畔に植えられたともいわれ、見た目の妖艶さと毒性がミステリアスな雰囲気をかもしだしています。
第13位:Strychnine Tree

東南アジア原産で、種子から抽出されるストリキニーネが猛毒として知られる植物。その毒性は非常に強く、神経を刺激して痙攣を起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。かつてはごく少量を薬品に利用した歴史もあり、毒と薬が紙一重であることを実感させる危険植物です。
第12位:Gympie-Gympie / Dendrocnide moroides

オーストラリアの熱帯雨林に生息する、恐ろしい「刺す植物」。その葉や茎には微細な毛が密集し、触れると強烈な痛みや炎症を引き起こします。しかも痛みが何週間も続くことがあるというから驚きです。まさに「近づくだけで危険」な植物の代表格といえます。
第11位:マンドレイク(Mandrake)

中世ヨーロッパの魔術や神話でおなじみのこの植物は、ジャガイモやトマトと同じナス科に属する植物。その根が人間のような形をしていることから、多くの伝承やオカルト伝説が生まれました。根や果実にはアルカロイド系の毒が含まれ、幻覚や呼吸困難などを引き起こすことも。「引き抜くときに悲鳴を上げる」という逸話が生まれるのも、うなずける怖さですね。
第10位:スズラン(Lily of the Valley)

可憐な白いベル型の花を咲かせるスズラン。結婚式のブーケなどでも人気ですが、その全草に強心配糖体が含まれています。誤って口にすると嘔吐や心拍数の異常を引き起こすことも。見た目とのギャップが大きい危険植物の代表例です。
第9位:Poison Ivy

北米に自生するツタウルシの仲間で、「かぶれのもと」として有名。葉や茎に含まれるウルシオールという成分が皮膚に強いかぶれを引き起こします。自然の中を散策する際は「葉が3枚セット」のツタに要注意です。
第8位:Datura / Jimson Weed

トランペットのような大きな花が美しいダチュラは、南米を中心にさまざまな地域で見られます。しかし茎や葉、種など全体に強力なアルカロイド毒を含み、幻覚や錯乱を引き起こすことで知られています。古くは儀式や呪術にも使われたという、まさに魔性の植物です。
第7位:Rosary Pea / Abrus precatorius

小さくてつややかな赤い実が可愛らしく、ネックレスや数珠として用いられることもあるアブラス。しかし種子にはアブリンという猛毒が含まれており、種を噛んだり傷から体内に入ったりすると非常に危険。ファッション感覚で使われることもあるだけに、扱い方には要注意です。
第6位:Giant Hogweed

セリ科の巨大な植物で、ヨーロッパや北米などに分布。茎や葉に含まれる樹液が皮膚に付着すると、紫外線に対して過敏になり、ひどい炎症や水ぶくれを起こします。川辺や道端で背丈の高い白い花を見かけたら要警戒。下手に触ると大変なことになるので注意しましょう。
第5位:トウゴマ(Castor Bean Plant)

トロピカルな雰囲気を漂わせる鮮やかな赤い実が特徴。種子には「リシン」という猛毒が含まれており、ごく少量でも生命に関わるほど危険です。ひと昔前に毒物として使われたという歴史を持つほど強力。観賞用として育てられることも多いので、うっかり触れてしまわないように要注意です。
第4位:トリカブト(Monkshood / Aconite)

日本の山野にも自生する、紫色の特徴的な兜形の花を持つ植物。古来より毒矢の材料として用いられてきたほど毒性が強く、誤食すると嘔吐や心不全、呼吸困難などを引き起こす可能性があります。キレイな花には棘がある、を地で行く存在です。
第3位:Oleander

南国リゾートを思わせる鮮やかなピンクや白い花が人気の常緑低木。実は全草に毒があり、誤って食べてしまうと嘔吐や不整脈を引き起こすことも。また、オレアンダーの枝で焼いた串などにも毒が移るといわれ、調理時には絶対に使ってはいけない危険な植物です。
第2位:ベラドンナ(Deadly Nightshade)

強いアルカロイド毒を持ち、摂取量によっては幻覚・呼吸困難・心臓麻痺などを起こす非常に危険な植物です。ヨーロッパの古い伝承で「魔女の草」と呼ばれるのも納得です。
第1位:Manchineel Tree

世界で“最も危険な木”とも呼ばれるマンチニール。カリブ海沿岸やフロリダなどに自生しており、その樹液が肌に触れるだけで激しい炎症を引き起こします。さらに、リンゴのような見た目の実が猛毒を含むため、食べると重篤な症状を引き起こすことも。危険度No.1にふさわしい恐ろしい樹木です。
まとめ
いかがでしたか?見た目は色鮮やかで魅力的でも、じつは猛毒や強烈な刺激成分を含んでいる植物が存在します。そんな植物たちも、自然界の生態系を形作る大切な一部。しかし、もし旅行先や庭先で見かけたときは、決してむやみに触ったり口にしたりしないでください。自然の美しさを楽しみつつ、その危険性にも十分に気を配って、安全に過ごしましょう。