みなさん、刑務所と聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか?映画やドラマに出てくるような鉄格子と看守が並ぶ世界、あるいは懲罰と更生が複雑に絡みあう場所など、人によって想像はさまざまかもしれません。ですが、世界を見渡せば、「罰」どころか入ったら人間性が吹き飛んでしまいそうなほど危険で過酷な刑務所が存在するのです。今回は、そんな“世界の危険な刑務所”をランキング形式でお届けします。名前からして恐ろしそうな施設もあれば、聴いただけでは想像がつかないミステリアスなものも。あなたの知らないディープな世界がここにあります。それでは早速見ていきましょう!
第10位:San Pedro Prison

引用:https://www.architectural-review.com/essays/a-law-unto-themselves-san-pedro-prison-in-la-paz-bolivia
ボリビアのラパスにある、世界でも珍しい「刑務所内にコミュニティがある」刑務所です。服役者が自分で部屋を“購入”したり、家族が中に住んでいたりと、まるで独立した小さな町のよう。表向きは自由そうに見えますが、勢力争いや内部の治安管理はかなりカオスで、一歩間違えば命の危険も。自主的に生き抜かなければならないという意味で、まさにサバイバル感満載です。
第9位:Gitarama Prison

ルワンダに位置するこの刑務所は、世界でもトップクラスの過密状態に陥っていることで悪名高いです。想定収容人数をはるかに上回る数の受刑者がひしめき合い、敷地も衛生環境もまるで悲惨。食料不足や病気が蔓延し、看守の目が行き届かないこともあり、受刑者同士のトラブルが絶えません。「ここよりひどいところはない」という言葉がささやかれるほどの壮絶さです。
第8位:Kachon Political Prison Camp

北朝鮮の「刑務所」というよりもはや強制収容所といったほうがしっくりくる場所。通常の犯罪者というより、政治犯やその家族が収容されるため、外部情報は一切遮断、厳しい労働と不十分な食事が続くといわれています。外からの視線が届かないという意味で、その実態は正確にわかりづらいですが、「極限状況である」ことだけは確か。まるで秘密組織の闇そのものといえます。
第7位:Bang Kwang Central Prison

タイの首都・バンコクにある大型刑務所。通称「バンコク・ヒルトン」と呼ばれていますが、決して高級ホテルなどではありません。むしろ「終身刑」「死刑」など重い刑罰を受けた受刑者が多く収容され、暴力事件や薬物問題が絶えない場所として知られています。高い塀の中では、過酷な労働や過密環境に耐えながら日々を過ごすしかなく、ヒルトンどころか“地獄のホテル”と揶揄されることもあるほどです。
第6位:Black Dolphin Prison

引用:https://www.aljazeera.com/gallery/2023/2/27/photos-inside-el-salvadors-new-mega-prison-for-gangster
ロシア南西部にある、最も凶悪な犯罪者が集められる超高厳戒刑務所。受刑者には連続殺人犯やテロリストなど、冷や汗ものの重罪人が並んでおり、一瞬も気を抜けない監視体制が敷かれています。囚人は1日おきに何度も検査され、ほんの少しの違反でも重いペナルティ。日本とは次元の違う「最強のセキュリティ」と、凶悪な住人たちの危険度が高いことで有名です。
第5位:La Santé Prison

引用:https://www.theguardian.com/world/2014/dec/07/la-sante-prison-paris-visitors-welcome
フランス・パリの中心地にありながら、「地獄の窯」と恐れられる刑務所です。歴史は古く、かつては政治犯や有名人も収容してきました。しかしその狭さや監獄内の暴力、衛生問題は深刻と伝えられ、長年フランス国内でも議論の的に。観光地の華やかなイメージからは想像できないような、フランスのダークサイドを象徴する存在でもあります。
第4位:ADX Florence

引用:https://www.theguardian.com/world/2012/apr/10/abu-hamza-isolation-supermax-prison
アメリカ・コロラド州にある刑務所。こちらはあまりに危険すぎる受刑者が収容され、完全に隔離した状態で管理されています。独房からほぼ出ることはなく、外界とのコミュニケーションも大幅に制限。最新鋭の監視システムで、いかなる脱獄の可能性も封じ込めると言われています。ある意味、セキュリティ面では世界最強クラス。文明の最先端が、人をいかに完璧に管理するかを体現した場所といえるでしょう。
第3位:Carandiru Penitentiary

引用:https://veja.abril.com.br/brasil/mpf-quer-restabelecer-condenacoes-por-massacre-do-carandiru
ブラジル・サンパウロにあった刑務所で、かつては南米最大規模を誇りました。所内での暴力や感染症の蔓延は凄まじく、収容者が看守に対して大規模な反乱を起こした「カランジルの虐殺」事件は世界的にも大ニュースに。現在は閉鎖されていますが、その悪名は長く語り継がれ、「人間を地獄に突き落とす場所」と恐れられてきました。
第2位:La Sabaneta Prison

引用:https://www.wbur.org/npr/190392074/inmates-in-a-venezuelan-prison-build-a-world-of-their-own
ベネズエラ西部のマラカイボ市に位置し、しばしば「この世の地獄」と称される刑務所。看守の人数が少なすぎて、事実上は受刑者同士での“力関係”がすべてを支配してしまっているという恐ろしい現状があります。衛生環境は劣悪で、病気の蔓延や凄惨な暴力事件も頻発。まるで無法地帯のようなその実態は、想像を超える危険度を誇ります。
第1位:Tadmor Prison

引用:https://www.middleeasteye.net/news/claims-break-open-syrias-notorious-tadmor-prison
シリアにあるこの刑務所は、かつて「人類史上最悪の監獄」と言われたほど恐れられた場所。政権に反対する者からテロリストまで幅広く収容され、囚人への拷問が横行していたとも報じられています。欧米の人権団体が「世界で最も恐ろしい刑務所」と名指ししたこともあり、その凄惨な実態を裏づけています。閉鎖や破壊などが断続的に報じられましたが、長い間“恐怖の象徴”として世界を震え上がらせてきました。
まとめ
いかがでしたか?誰しもあまり近づきたくはない、世界の危険な刑務所たち。映画やドラマのようなフィクションの世界だと思っていたら、実際はその比じゃないほど過酷な環境が広がっていることがおわかりいただけたでしょう。もちろん刑務所は「罪を犯した人が更生を目指す場所」ではありますが、中にはその目的すら見失われるほどの理不尽と恐怖がはびこる施設も存在します。今回のランキングが、私たちの知らない闇の部分を少しでも知るきっかけになれば幸いです。