都市の喧騒を離れ、自然と人の手が織りなす美の世界へ。庭園は、植物だけではなく、文化、歴史、そしてそこに流れる時間までも感じさせてくれる場所です。世界には、創造性と情熱が注ぎ込まれた庭園が数多く存在し、訪れる人々を静かな感動へと誘います。本記事では、編集部が選んだ「世界の美しい庭園ランキングTOP10」をご紹介します。色彩、構造、そして庭園に込められた物語に注目しながら、あなたの旅のインスピレーションにしてみてください。

第10位 ジャルダン・マジョレル(Jardin Majorelle)/モロッコ


鮮やかな「マジョレル・ブルー」が象徴的な、異国情緒あふれる庭園。アーティストのジャック・マジョレルが40年以上かけて作り上げ、その後イヴ・サンローランにより保護されました。サボテンや竹など多彩な植物と、アラブ=ベルベル文化が混ざり合う独自の美が魅力です。

第9位 ロングウッド・ガーデンズ(Longwood Gardens)/アメリカ


元はデュポン家の私邸で、広大な敷地は「庭園のテーマパーク」と呼ばれるほど多様なエリアを展開。温室、噴水ショー、フォーマルガーデン、森など、四季を通じて表情を変える植物の世界が楽しめます。

第8位 キュー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Kew)/イギリス


世界最大級の植物研究施設を兼ねる庭園。巨大な温室「パームハウス」やツリートップ・ウォークウェイなどがあり、地球上の植物多様性を探求できます。ユネスコ世界遺産に登録され、植物愛好家の聖地でもあります。

第7位 ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ(Gardens by the Bay)/シンガポール


未来都市を象徴する庭園。巨大な「スーパーツリー」が織り成す光のショーは圧巻。クールな温室「クラウドフォレスト」では巨大な滝と霧の演出が幻想的で、都市と自然の共生を体現した革新的なガーデンです。

第6位 ヴィラ・デステ庭園(Villa d’Este Gardens)/イタリア


ルネサンス庭園の傑作で、16世紀から残る荘厳な噴水群に圧倒されます。水力だけで動く音楽噴水や彫刻が点在し、まるでタイムスリップしたかのよう。水と建築が織り成す美が世界遺産として評価されています。

第5位 兼六園(Kenrokuen Garden)/日本


日本三名園のひとつ。春の桜、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪吊りと、四季折々の姿が訪れる人の心に染みわたります。「広さ」「幽邃」「清澄」「人工美」「水泉」「眺望」という六つの景観美が調和した、日本庭園の最高峰です。

第4位 ブッチャート・ガーデンズ(The Butchart Gardens)/カナダ


かつて採石場だった場所を美しい庭園へと再生した奇跡のプロジェクト。サンクンガーデン、ローズガーデン、日本庭園など多様なゾーンが設計され、一歩ごとに景色が変わる「花の劇場」のような空間です。

第3位 ヘネラリフェ庭園(Generalife Gardens, Alhambra)/スペイン


アルハンブラ宮殿の離宮に広がる、イスラム庭園の傑作。緻密な水路、噴水、石造のアーチ、香り高いオレンジの木々。静寂と水音が織り成す空間は「楽園」という言葉がぴったり。庭園が祈りと瞑想の場であったことを感じさせます。

第2位 ヴェルサイユ宮殿庭園(Gardens of Versailles)/フランス


絶対王政の象徴として造られた壮麗な庭園。幾何学模様の花壇、水鏡のように広がる運河、整然と植えられた林。庭園全体が「王の権力」をデザインで表現しています。広大な敷地は歩くだけでも圧巻のスケール。

第1位 キューケンホフ公園(Keukenhof Gardens)/オランダ


世界最大級の花の庭園。春の数週間のみ開園し、800以上ものチューリップの品種が咲き乱れます。色彩の洪水ともいえる風景は、訪れる人の心を奪い、まさに“花の楽園”。写真におさめるだけで絵画のような美しさです。

まとめ

庭園は、単なる美しい景色以上のものを私たちに与えてくれます。そこには歴史があり、文化があり、人の手が自然へ向けた敬意が存在します。世界にはまだまだ知られざる美しい庭園があり、訪れるたびに新しい発見があります。次の旅の目的地には、ぜひ庭園を選んでみてください――そこで見る風景は、きっと心の中にずっと残るはずです。

あなたにとって「行ってみたい庭園」はどこでしたか?