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【職業インタビュー】動物看護師の仕事について、実際に聞いてみました!

日本では近年、ペットが「家族の一員」として扱われるようになり、動物医療の現場も大きく進化しています。その中で、動物看護師は獣医師と並んで重要な役割を担う専門職として注目されています。診療や手術の補助、入院動物のケア、飼い主へのサポートなど、多岐にわたる業務を通じて、動物と人の双方を支える存在です。2023年には国家資格「愛玩動物看護師」として法的に位置づけられ、専門性と社会的信頼が一層高まりました。本記事では、そんな動物看護師の仕事内容や働き方、キャリア、やりがいなどについて、記者の質問に答える形で詳しく紹介します。

1. 動物看護師とはどんな仕事ですか?

動物看護師は、獣医師の補助として動物の診療を支援する専門職です。動物病院において、診察・手術の補助、入院動物の看護、検査、投薬、飼い主へのケア指導など、幅広い業務を担います。近年では「愛玩動物看護師法」が施行され、国家資格として正式に位置づけられたことで、責任と専門性がより重視されるようになりました。

2. 主な勤務先はどのような場所ですか?

主な勤務先は動物病院ですが、他にも動物保護センター、ペットショップ、動物園、大学の研究施設、製薬会社などがあります。臨床現場だけでなく、研究・教育・動物福祉などの分野でも活躍の場が広がっています。

3. どのような資格が必要ですか?

2023年に施行された「愛玩動物看護師法」により、国家試験に合格して愛玩動物看護師として登録することが必要になりました。それ以前の「認定動物看護師」資格は移行措置の対象となり、一定の条件を満たせば国家資格を取得できます。

4. 国家資格になって何が変わりましたか?

国家資格化により、業務範囲と責任が明確化されました。たとえば、獣医師の指示のもとで採血・投薬・マイクロチップ装着などが可能になりました。法的な裏付けにより、医療チームの一員としての信頼性が高まり、職業的地位も向上しています。

5. どんなスキルが求められますか?

動物に対する思いやりや観察力はもちろん、医療知識・衛生管理・検査技術・コミュニケーション能力など多岐にわたります。また、飼い主の心理に寄り添う力も重要です。チーム医療が中心となるため、協調性も欠かせません。

6. 勤務時間や労働環境はどうですか?

動物病院では、早朝から夜間まで診療を行う施設も多く、シフト制勤務が一般的です。動物の急変対応や手術立ち会いなどで残業が発生することもあります。一方で、勤務形態を柔軟にできる職場も増えており、ワークライフバランスの改善が進んでいます。

7. 年収について教えてください。

動物看護師の年収は、勤務先や経験年数によって大きく異なります。新卒では年収250万円〜300万円程度が一般的で、経験を積むと400万円を超える場合もあります。管理職や専門分野(麻酔管理、臨床検査など)に進むことでさらに高収入が期待できます。企業勤務や大学病院勤務では、待遇が安定している傾向があります。

8. 一日の仕事の流れを教えてください。

出勤後は入院動物の健康チェックから始まり、診察や手術の補助、検査業務、飼い主への説明補助などを行います。昼休憩を挟み、午後は再診やワクチン接種対応などが中心です。終業前には入院動物の最終ケアと翌日の準備を行い、一日が終了します。

9. 大変なことは何ですか?

命を扱う仕事のため、精神的な負担が大きい場面もあります。動物の死に直面したり、飼い主とのコミュニケーションで難しさを感じたりすることもあります。また、体力仕事でもあるため、長時間立ち仕事や夜勤が続く場合は体調管理も重要です。

11. やりがいを感じる瞬間は?

治療や看護の結果、動物が元気を取り戻す姿を見たときに大きなやりがいを感じます。さらに、飼い主から「ありがとう」と感謝される瞬間は、何よりの励みになります。動物と人の両方を支えるという点で、非常に意義深い職業です。

12. 動物好きなら誰でもなれる仕事ですか?

動物が好きという気持ちは出発点として大切ですが、それだけでは務まりません。医療職としての厳しさ、衛生意識、責任感、忍耐力が求められます。命を預かる職業であることを常に意識する必要があります。

13. 将来性はどうですか?

ペットの高齢化や医療の高度化により、動物看護師の需要は今後も増加すると見込まれています。国家資格化によって職域が拡大し、社会的信頼も高まっているため、安定した職業として期待されています。

14. どのような学校で学べますか?

動物看護師を目指す場合、専門学校または大学で学ぶのが一般的です。国家試験受験資格を得るためには、文部科学省・農林水産省の指定カリキュラムを修了する必要があります。実習や病院研修も多く、実践的な教育が行われています。

15. 最後に、進路に悩んでいる学生へアドバイスをお願いします。

動物看護師は、動物だけでなく人との関わりも深い仕事です。大変なことも多いですが、その分やりがいも大きい職業です。もし「動物を助けたい」「医療の現場で誰かの支えになりたい」と思う気持ちがあるなら、ぜひ挑戦してみてください。現場で必要とされる存在として、多くの命と心を支えることができるでしょう。