超高級時計の世界は天文学的な金額が動く刺激的な舞台です。ダイヤモンドをまとったジュエリーから、超複雑機構を詰め込んだものまで、強烈な個性が火花を散らしています。さあ、今回は“いま買えるかどうかは別問題”な究極の10本を、第10位から最高額の第1位まで駆け上がってみましょう。
第10位 パテック フィリップ ゴッビ・ミラノ ダブルクラウン ワールドタイム Ref.2523 (Patek Philippe Gobbi Milano Double‑Crown World Time Ref. 2523)

1950年代製の傑作。ピンクゴールドに青七宝の地図ダイアルという配色は“ゴッビ・ミラノ”銘入り個体のみ。2021年フィリップス・ジュネーブで約782万ドル(約11億円)をマークし、アジア最高額の腕時計となりました。
第9位 パテック フィリップ ステンレススティール Ref.1518 パーペチュアル カレンダー クロノグラフ (Patek Philippe Stainless Steel Ref. 1518 Perpetual Calendar Chronograph)

世界にたった4本しか存在しないSSケースの1518。2016年に約1110万ドルで落札され、“スチールこそ究極”というコレクター神話を生みました。
第8位 ロレックス コスモグラフ デイトナ “ポール・ニューマン” (Rolex Cosmograph Daytona “Paul Newman”)

名優ポール・ニューマン本人の愛機。妻ジョアンから贈られた“DRIVE CAREFULLY”の刻印がロマンを倍増。2017年のオークションで1780万ドルを叩き出し、ステンレスの常識を覆しました。
第7位 ジェイコブ&コー ビリオネア (Jacob & Co. Billionaire)

エメラルドカット・ダイヤ約260ctを全面に敷き詰めた、“歩く宝石箱”。ボクシング界のレジェンド、フロイド・メイウェザーが1800万ドルで購入したことでも話題に。
第6位 ジェイコブ&コー ビリオネア “タイムレス・トレジャー” (Jacob & Co. Billionaire Timeless Treasure)

2025年発表の最新作。ファンシーイエローのアッシャーカット・ダイヤ425石で覆い尽くされ、タグは堂々2000万ドル。“ビリオネア”の名をさらにアップグレードした一本です。
第5位 ショパール 201カラット (Chopard 201‑Carat Watch)

天然カラー・ダイヤを計201ctセットしたお花モチーフ。プッシュボタンを押すと花びらが開き、小さな文字盤が“こんにちは”。お値段は2500万ドル、まさに開花する億万長者の夢。
第4位 ジャガー・ルクルト ジョワイエリー 101 マンシェット (Jaeger‑LeCoultre Joaillerie 101 Manchette)

世界最小ムーブメント「Cal.101」をホワイトゴールドと576個のダイヤが包み込むブレスレットウォッチ。英女王エリザベス2世の戴冠60周年を祝う2600万ドルのハイジュエリーです。
第3位 パテック フィリップ グランドマスター・チャイム Ref.6300A‑010 (Patek Philippe Grandmaster Chime Ref. 6300A‑010)

20の複雑機構を持つ片面リバーシブル。2019年チャリティーオークション「Only Watch」で3100万ドルを記録しました。
第2位 グラフ ダイヤモンズ ザ・ファッシネーション (Graff Diamonds The Fascination)

152.96ctのホワイトダイヤに38.13ctのDフローレス・ペアシェイプを中央に配し、総額4000万ドル。センターストーンは取り外してリングにも変身する“トランスフォーム系”ジュエリーウォッチです。
第1位 グラフ ダイヤモンズ ハルシネーション (Graff Diamonds Hallucination)

110ctの極彩色ダイヤをプラチナブレスに敷き詰めた、“虹色の蜃気楼”。時計機構はごく小さなクォーツながら、価格は堂々5500万ドル。まさに“時を忘れる”ほど幻想的なキング・オブ・ウォッチ。
まとめ
ダイヤで彩るか、複雑機構で魅せるか――“高価”の定義はさまざまですが、共通しているのは「物語を宿す芸術品」であるという点。ここに挙げた10本は、ただ時を刻む道具ではなく、ブランドの技術・美学・歴史、そして持ち主の夢を凝縮した“小さな宇宙”です。もし宝くじが当たったら? ――まずは腕まくりして、世界一リッチな時の流れを味わいに行ってみてはいかがでしょう。